【7月22日 AFP】中東カタールで今月、子犬を含む犬29匹が男4人のグループにライフルで射殺される事件が起きた。当局によると、警察が捜査に着手した。犬の虐待事件としては同国で最悪のものとみられる。

 動物保護団体によると、事件は10日、首都ドーハ近郊の工業団地で発生。報告されたのはその数日後だった。

 犯人は男4人で、うち2人が猟銃を持っていた。4人は施設の守衛を脅して中に入ると、29匹を撃ち殺した。妊娠後期の雌犬2匹を含む少なくとも3匹がけがをした。

 ある動物愛護家によると、犬が「餌がもらえる」と思って駆け寄って来たところ、次々と撃たれた。

 当局は容疑者を特定したとしているが、詳細は明らかにしていない。

 現時点で動機は不明。動物愛護団体は、イスラム教徒の中には犬を「不浄」と信じている人もおり、カタールでは犬が虐待の対象となっていると説明した。

 別の愛護家は、4人は守衛に、メンバーの息子が「犬にかまれた」と話したと述べた。だが、犯行現場となった敷地は高いフェンスで囲まれており、子どもが犬に近づいて遊ぶのは不可能という。

 愛護家によると、近年、犬やフラミンゴなどの鳥をライフルの練習の的にする事例が相次いでいる。

 愛護団体は、犬などの動物を保護する法律があるものの、適切に運用されていないと非難している。

 今回の事件を最初に報告した動物福祉団体「ポウズ・レスキュー・カタール(Paws Rescue Qatar)」はインスタグラム(Instagram)に「法律が執行されている様子はない。この怪物たちが裁かれることは決してないということだ」と投稿した。(c)AFP