【6月22日 AFP】ドイツのロベルト・ハーベック(Robert Habeck)副首相兼経済・気候保護相は21日、ロシア国営天然ガス企業ガスプロム(Gazprom)による欧州へのガス供給削減について「われわれに対する攻撃」だと批判した。

 同国で開かれた産業会議で講演したハーベック氏は、ロシア産の天然ガスをドイツに輸送するパイプライン「ノルドストリーム(Nord Stream)」経由のガス供給量削減について、「われわれに対する攻撃、経済的攻撃だ」と断言。ロシアがドイツに先立ち、ポーランドやブルガリアなどへのガス供給も止めていたことに言及し、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は欧州のガス市場に混乱をもたらそうとしていると指摘した上で、「世界の独裁者たちの悪意」による影響を抑える措置として、原材料やエネルギーの供給元の多様化を訴えた。

 ガスプロムは先週、修理の遅れを理由に、ノルドストリーム経由のガス供給量を削減すると発表。独政府はこの決定を「政治的」と非難していた。この結果、ドイツとオーストリア、オランダはガス消費量を削減するため、休止していた石炭発電所の再稼働を決定した。

 また、ドイツはさらなる供給削減の可能性に備え、現在60%弱のガス備蓄を冬までに90%まで引き上げることも決めた。(c)AFP