【6月16日 AFP】ロシア国営天然ガス企業ガスプロム(Gazprom)は15日、ロシア産の天然ガスをドイツに輸送するパイプライン「ノルドストリーム(Nord Stream)」経由の1日当たりのガス供給量を、さらに33%削減すると発表した。同社は前日にも約40%の供給削減を発表しており、ドイツ政府は「政治的な決定」と非難している。

 ガスプロムは14日、ドイツのシーメンス(Siemens)社製のコンプレッサー設備の「修理」を理由に、供給量を約40%減となる1億立方メートルにする方針を示した。これに対し、ドイツのロベルト・ハーベック(Robert Habeck)副首相兼経済・気候保護相は翌15日、「政治的な決定であり、技術的に正当な解決策ではない」と非難。修理の必要性は認識しているとしながらも、関連作業は秋まで行われない予定だと指摘し、この削減規模は正当化できないと述べた。

 ガスプロムはその後、メッセージアプリのテレグラム(Telegram)を通じて再度の削減を発表。モスクワ時間の16日午前1時半(日本時間同7時半)をもって供給量は最大6700万立方メートルになるとし、「エンジンの技術的な状態」のためガスタービンの運転を停止すると説明した。

 ハーベック氏はこれを受け改めて声明を出し、「不安をあおり、価格を押し上げるための戦略であることは明らかだ」と批判した。(c)AFP