【6月20日 AFP】ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー危機を受け、化石燃料の利用拡大方針を示しているドイツは20日、2030年までに石炭火力発電所を閉鎖するという目標については、引き続き期限通りの達成を目指していくと表明した。

 経済省のシュテファン・ガブリエル・ハウフェ(Stephan Gabriel Haufe)報道官は定例記者会見で、「2030年の脱石炭達成期限については疑いの余地はない」と明言した。

 ロシア国営天然ガス企業ガスプロム(Gazprom)が先週、欧州へのガス供給を大幅に削減すると通告したことを受け、ドイツ政府は19日、石炭火力発電所の利用を拡大すると発表。ハウフェ報道官は、これによる二酸化炭素排出量の増加を考慮すると、目標は「これまで以上に重要になる」と語った。

 欧州最大の経済大国であるドイツは、ロシアのウクライナ侵攻を受け、エネルギー面での脱ロシア依存に向けて動き出している。ドイツのガス需要に占めるロシア産天然ガスの割合は、ウクライナ侵攻前の55%から現在は35%にまで低下している。

 さらに独政府は、ガス供給が途絶えた場合の影響を緩和するため、ガスの備蓄率を次の冬に備えて年内に90%まで引き上げるよう指示している。(c)AFP