中国の「販売促進の女王」が「転落」 ライブコマースは「野蛮時代」に別れを告げる
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【1月16日 東方新報】先日、「帯貨一姉(販売促進の女王)」と呼ばれる中国の有名なネット配信者の薇婭(Wei Ya、ハンドルネーム、本名:黄薇<Huang Wei>)氏が、脱税の罪で追徴金、加算金、罰金計13億4100万元(約241億)の処分を受けた。脱税処罰事件は、eコマースとライブ配信業界に「強震」をもたらし、各業界の激論を引き起こした。
中国ではネットショッピングが流行しているが、管理が行き届いていないため、ネットで購入される偽物や粗悪品が少なくない。このような環境の下、中国の消費者は信頼できる人から商品を購入する習慣を身につけ、eコマースとライブ配信の融合を実現し、薇婭氏、李佳琦(Li Jiaqi)氏などの「ライブコマースの達人」が急速に人気を集めている。
ネット配信者やネットショッピングプラットフォームもライブコマースの追い風に乗り、大きな収益を上げた。しかし、業界の規範化やネット配信者の管理が厳しくないなどの問題はずっと存在している。特に「販売促進パーソナリティー」の脱税問題はますます深刻になっている。今年、中国は業界に存在する違法・違反問題に対し力を入れ、ライブコマースの「野蛮時代」を終結させ、ライブ配信業界の秩序を再構築しようとしている。業界も自主調査と自主規範のプロセスを加速させ、薇婭氏が罰金を科された後、すでに千人以上の従事者が自主調査を行い、税金を追納した。
「販売促進の女王」に対する処罰は業界の自律を促進し、ライブ配信業界にも構造的な影響を及ぼすだろう。新興業界では、ライブ配信は最も「ファン経済」の特徴が現われる。視聴者の目を引く「トップキャスター」の勝者総取りの状況の下、多くの「後追いキャスター」を尋ねてくる人はほとんどいない。有名なライブ配信者が商業化運営を利用して影響を拡大している一方で、脱税やデマ宣伝などの問題も発生し、生き残りをかけた後追いキャスターによる利益を得ようと悪巧みが次から次に現れ、業界の混乱に拍車をかけている。税制審査と業界管理が強化されると、ライブ配信者とライブコマース企業の管理コストの上昇につれ、競争力と収益力のないライブ配信者が市場から退出し、業界のバブルの崩壊を招くことになる。
ネットショッピングを代表とする新興サービス業は、各国経済の中で占める地位もますます重要になり、eコマースの発展を推進し、業界規範管理を強化することは各国が直面する共通の課題となっている。中日のeコマース規模はそれぞれ世界の第1位と第3位に位置し、デジタル産業の発展を加速させるため、日本はデジタル庁を設立した。eコマース産業の発展と管理において、中日間には広大な協力空間がある。ネットショッピング環境を整備するために、中国は日本などの国とサイバースペースのガバナンス協力を強化し、越境ECの経営行為を共同で向上させる必要がある。中国のeコマースはライブ配信、短期賃貸などの産業と緊密に結びつき、新興サービス業の発展において波及効果を生み出している。日本はeコマースとコンビニエンスストアなどの伝統的サービス企業との結びつきの推進に成功した経験がある。中日両国は互いに学び、それぞれのサービス業のデジタル化発展モデルを改善していくべきだ。(c)東方新報/AFPBB News