■ロシアの根回し

 ロシアのタリバンとの対話は、何年も根回しをしてきた成果だ。

 7月、ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相はタリバンを「強力な勢力」と呼び、和平協議の停滞はアフガン政府に非があると責めた。

 ロシア外務省のザミル・カブロフ(Zamir Kabulov)アフガニスタン特使は16日、ロシアのラジオ局「モスクワのこだま(Ekho Moskvy)」に対し「過去7年間、タリバン運動と接触してきたのはそれなりの目的があったからだ」と語った。

 この関係は多くを驚かせている。なぜならタリバンの源流は、1980年代のムジャヒディン(イスラム戦士、Mujahideen)による反ソ連抵抗運動にあるからだ。

 しかし、シンクタンク「カーネギー財団モスクワセンター(Carnegie Moscow Center)」のアレクサンドル・バウノフ(Alexander Baunov)上級研究員によれば、タリバンも1990年代に政権を握り、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)を庇護(ひご)していた頃からは変化していると言う。

「ロシア政府は、その流れをくむ今のムジャヒディンを敵と見なしていない」と同氏はAFPに語った。(c)AFP/Ola CICHOWLAS