【3月18日 AFP】(更新)米ジョージア州の州都アトランタ(Atlanta)で16日、マッサージ店3軒が相次いで銃撃され、アジア系女性ら8人が死亡した事件で、地元警察当局は17日、逮捕された容疑者の男が人種的な動機を否定していることを明らかにした。

 事件ではアジア系女性6人が犠牲となり、新型コロナウイルスの流行によりアジア系住民に対する暴力が増加していることへの懸念が再燃した。逮捕されたロバート・アーロン・ロング(Robert Aaron Long)容疑者(21)は白人で、単独で行動したとみられている。

 同州チェロキー(Cherokee)郡保安官事務所は記者会見で、容疑者が犯行を認めたとした上で、「まだ早い段階だが、容疑者は人種が動機でないと主張している」と発表。容疑者は自身に「セックス依存症」があると考え、標的となったマッサージ店を「抹消したい誘惑」とみなしていたと説明した。

 ただ当局は、容疑者の動機はまだ断定していないと強調。容疑者がフロリダ州まで車で移動し、さらなる銃撃を計画していたとみられることも明らかにした。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は16日、事件の動機はまだ断定されていないと指摘しつつも、アジア系米国人に対する暴力は「非常に懸念すべき」ものだと表明。カマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領は「アジア系米国人コミュニティーに対しては、私たちはあなた方と共にあり、これがすべての人に恐怖や衝撃、怒りを与えたことを理解していると伝えたい」と述べた。

 米国では最近、主に高齢者のアジア系米国人に対する暴力事件の報告が急増。活動家らは、新型ウイルスの流行中にドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領らが行った「中国ウイルス」発言がこの背景にあると考えている。バラク・オバマ(Barack Obama)元大統領はツイッター(Twitter)で、アジア系に対する暴力は「終わらなければならない」と訴えた。(c)AFP