【4月27日 AFP】中国国営メディアは26日、海警局が南シナ海のフィリピン軍の主要拠点近くにある係争中の礁を掌握したと報じた。

国営放送の中国中央テレビ(CCTV)によると、海警局は今月中旬、鉄線礁(サンディー礁)の「海上統制を実施」した。

この小さな礁は南沙諸島(スプラトリー諸島)の一部で、フィリピンの軍事拠点があるティトゥ島(パグアサ島)の近くに位置している。

CCTVによると、海警局員は鉄線礁に上陸し、礁の「主権と管轄権を行使」。「検査」を実施し、「フィリピン側の違法活動に関するビデオ証拠を収集」したという。

CCTVは、無人の礁に立つ黒い服を着た5人の写真を公開。海警局員4人が国旗を掲げる写真も公開し、CCTVは「主権の誓い」と表現した。

英紙フィナンシャル・タイムズは、匿名のフィリピン海事当局者の話として、海警局員は国旗掲揚後に撤収したと報じた。

中国が礁を恒久的に占拠したり、礁に構造物を建設したりする兆候はないとみられる。

中国とフィリピンは係争中の海域で対立を続けている。フィリピンは現在、米国との大規模な合同軍事演習に参加しており、中国政府はこれを地域の安定を損なうものだと非難している。(c)AFP