【1月15日 AFP】ヘンリー王子(Prince Harry)とメーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)が英王室の主要な公務から退くとした電撃発表をめぐり、メーガン妃に対する人種差別的な行為が関係しているとの臆測が飛び交っている。

 ヘンリー王子夫妻が高位王族の地位から退き、王族からの経済的自立を目指すと決心する以前から、一部英メディアのメーガン妃に対する容赦ない報道は何か月も続いていた。

 メーガン妃は白人の父とアフリカ系米国人の母を持つ。2016年にヘンリー王子との関係が公になると、一部の新聞はメーガン妃に対する攻撃的な人種的固定観念を広めたとして、その報道姿勢が批判された。

 英紙デーリー・メール(Daily Mail) は2人の恋愛を特ダネとして報じ、見出しに「ヘンリーのお相手は(ほとんど)『ストレイト・アウタ・コンプトン(Straight Outta Compton)』 」と書いた。犯罪と貧困で知られる、米ロサンゼルスの一部地域を舞台にした映画のタイトルを引き合いにしたのだ。だが、実際にメーガン妃が住んでいたのはコンプトンではなくロサンゼルスの中心部で、通っていた学校は私立校だった。

 一方、ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相の妹のレイチェル(Rachel Johnson)さんは、メーガン妃について「豊かでエキゾチックなDNA」があると発言していた。

 こうした報道や発言に対してヘンリー王子は異例の声明を発表し、「人種差別的底意のあるいくつものコメント」「ソーシャルメディアでの荒らしによる性差別と人種差別」と非難した。さらにネット上のコメンテーターらに対しても苦言を呈した。

 だが、ヘンリー王子の声明をもってしても人種差別に無神経な、あるいはそれよりもさらにひどい行為を止めることはできなかった。