新型コロナ、半年後まで症状続く患者多数 追跡調査で明らかに
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【1月9日 AFP】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で入院した患者の4分の3以上に半年後も何かしらの症状があることが、8日に発表された研究論文で明らかになった。専門家らは、COVID-19の長期的な影響についてさらなる調査が必要であると指摘している。
論文は英医学誌ランセット(The Lancet)に掲載されたもので、COVID-19がもたらす長期的な症状を追跡した数少ない研究の一つ。調査は、中国・武漢(Wuhan)の金銀潭医院(Jinyintan Hospital)を昨年1月から5月に退院した患者1733人を対象に行われた。患者の平均年齢は57歳。
調査員らは昨年6月から9月にかけて患者の元を訪れ、各自の症状と体調について質問し、回答を得た。また、身体検査と臨床検査も行った。
その結果、追跡調査に参加した患者の76%(1655人中1265人)が、引き続き症状を訴えていることが分かった。
63%が倦怠(けんたい)感や筋力の低下を報告し、26%が睡眠障害を訴えた。
さらに調査では、最も症状が重い時に血中の抗体価を記録していた患者94人に6か月後、再び検査を実施したところ、中和抗体価が52.5%減少していた。
論文の著者らは、これが新型コロナウイルスに再感染するリスクを示すと指摘している一方、時間の経過に伴う免疫の変化を明らかにするためには、より大規模なサンプルが必要だとしている。
世界保健機関(WHO)は、若者や入院の必要がなかった人でも、新型コロナウイルスが重篤な影響を長期的にもたらすおそれがあると警告している。(c)AFP/Kelly MACNAMARA