【11月11日 AFP】米大統領選の投票日から1週間がたった10日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領はホワイトハウス(White House)にこもり、自身は間もなく勝利するとの空虚な主張を展開するとともに、当選が確実となったジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領の政権移行準備を妨害している。バイデン氏はこうしたトランプ氏の態度を「恥ずべきこと」と批判した。

 トランプ氏はツイッター(Twitter)で「われわれは勝利する!」と宣言。「われわれは大きな進展を遂げている。成果は来週出始める。米国を再び偉大に!」と投稿した。

 トランプ氏は選挙での敗北に異論を唱えるという、現職大統領としては前代未聞の行動に出ており、バイデン氏が勝利した州で次々と法廷闘争を展開。だが一連の主張はいずれも根拠に欠けており、うち数件の訴えはほぼ即座に退けられた。バイデン氏は複数の州で僅差ながらも確実な勝利を収めており、残りの訴訟によって選挙結果が覆される可能性もない。

 トランプ氏は今月3日の投票日以降、公の場にほとんど姿を現していない。大統領の通常職務をこなす様子はほとんど見られず、代わりにツイッター上で多くの時間を費やし、選挙不正を主張する投稿を繰り返している。

 トランプ氏は米選挙の伝統を破り、バイデン氏をホワイトハウスに招待しなかったどころか、次期大統領のために用意される設備や資金、知見をバイデン氏が利用できないようにしている。こうした移行支援は通常、後任がすぐ活用できるようにまとめて用意されるが、それを提供するか否かは、トランプ氏が任命したエミリー・マーフィー(Emily Murphy)一般調達局(GSA)局長が決定する。

 バイデン氏はこれまで、こうした混乱を無視する姿勢を見せてきたが、10日に開いた記者会見では、トランプ氏が敗北を認めないことは「正直言って恥ずべきことだ」と批判。一方で、政権移行に協力しないトランプ氏の姿勢は「現時点では、われわれの計画作りに大きな影響は及ぼさない」との見解を示した。(c)AFP