【12月12日 AFP】ノーベル平和賞受賞者でベネズエラの野党指導者マリア・コリナ・マチャド氏(58)は11日、ノルウェーのオスロで会見を開き、ベネズエラに帰国し、圧政を終わらせるために全力を尽くすと述べた。

マチャド氏は11日、オスロに到着後、約1年ぶりに公の場に姿を現した。10日に行われたノーベル賞授賞式には間に合わず、娘のアナ・コリナ・ソーサ氏が代理で賞を受け取った。

マチャド氏は「ベネズエラ国民を代表して賞を受け取り、適切な時期にベネズエラに持ち帰るつもりだ」と会見で述べ「独裁を早急に終わらせ、自由なベネズエラを実現したい」と語った。

また、強権的なマドゥーロ政権が統治するベネズエラに変化をもたらすにはドナルド・トランプ米大統領の圧力が重要だとの考えを示した。

「トランプ大統領の行動は、私たちが現在いる地点に到達するために決定的だった。政権はこれまで以上に弱体化している」と述べた。

米国はカリブ海で海軍を大規模展開しており、麻薬密輸船とされる船への攻撃を実施している。トランプ氏は10日、米国がベネズエラ沖で大型石油タンカーを拿捕(だほ)したと発表。これにより、米国とベネズエラの間の緊張が高まっている。

会見でマチャド氏は、米国の支援を受けてベネズエラを離れオスロに到着したことを明らかにした。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、カラカス郊外の潜伏先を8日に出発。かつらなどで変装し、沿岸の漁村に向かい、カリブ海を漁船で渡ってキュラソー島に到着した。その後、プライベートジェットでオスロに向かったという。

マチャド氏は、「命を懸けて」ベネズエラに戻ると表明しているが帰国の詳細については明らかにしなかった。帰国すれば拘束される恐れがあり、今後の動向は不透明だ。(c)AFP