【11月8日 AFP】米大統領選で再選を狙っていた現職のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が、ジョー・バイデン(Joe Biden)前大統領に敗れたことが確実になったとテレビ各局が伝えた時、トランプ氏はゴルフの真っ最中だった。本人が望めば、同氏は近いうちにゴルフを楽しむ時間がたっぷり確保できるようになる。

 しかし、トランプ氏に不変のものがあるとすれば、それは注目を浴びることへの執着だ。大統領の中で最も型破りだった同氏が、公の場での発言を控えて在職当時を振り返る回顧録を執筆し、時折慈善行事に出席するといった退任後の一般的な生活を求めるとは予想しにくい。

■2024年大統領選に出馬?

 ホワイトハウス(White House)の鍵は失うものの、ツイッター(Twitter)へのログインが不可能になることはない。トランプ氏のうずく指がツイートを続ければ、引き続き共和党に強い影響力を及ぼす可能性がある。

 トランプ氏は2024年の大統領選に再出馬する意向があると語る関係者も既にいる。歴代の米大統領の中で返り咲きを果たしたのは、小差で敗れた4年後の1892年に勝利したグローバー・クリーブランド(Grover Cleveland)大統領のみだ。

 大統領首席補佐官代行を務めたミック・マルバニー(Mick Mulvaney)氏はアイルランドのシンクタンクに対し、トランプ氏は「負けるのが嫌いだ」と控え目な表現で語った。その上で、トランプ氏が「政治に引き続き関与すると十分見込んでおり、2024年(の大統領選)の出馬は絶対にあると思っている」と明言した。

■自身のテレビ立ち上げ?

 ニューヨーク生まれで3度結婚したホテルデベロッパーで、テレビタレントでもあるトランプ氏は、大統領就任前の安楽な生活を望んでいることを隠していない。自身の台頭を支援したFOXニュース(Fox News)の保守姿勢が不十分だとして不満を募らせている同氏は、「トランプTV(Trump TV)」のブランド立ち上げを検討する意向を示唆している。

 このプロジェクトに活用できそうな手段は、トランプ氏支持を公言しているケーブルチャンネル「ワン・アメリカ・ニュース(One America News)」と「ニュースマックスTV(NewsMax TV)」の形で既に存在している。両チャンネルは現時点で弱小であるものの、トランプ氏が買収すれば大手に成長する可能性がある。