子どもたち襲う飢餓、イエメン内戦が強いた犠牲
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【7月18日 AFP】生後3か月足らずのマシラー・サカー(Masirah Saqer)ちゃんは、祖母が注射器で授乳を試みると、かろうじて目を開け、必死でミルクを飲み込もうとした。体重は2.4キロ。首都サヌアのアルサビイン(Al-Sabyine)病院で、他の栄養失調の乳児らと共に治療を受けていた。
他の赤ちゃんたちの泣き声が病棟に響き渡り、7年目に突入するイエメン内戦で強いられた人的犠牲の大きさがひしひしと伝わってくる。
アラビア半島の最貧国イエメンの内戦は、国連(UN)が世界最悪の人道危機と見なすほどに激化している。
国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は6月、イエメンで子ども数百万人が資金援助不足で飢餓に直面していると発表した。
内戦によって医療システムは崩壊。330万人が避難を強いられ、コレラなどの病気がはびこる避難民キャンプで暮らしている。空爆の犠牲となった民間人は数万人規模、うち数百人は子どもだった。
同国はまた、きれいな水が不足していることから、現在は新型コロナウイルスのまん延という別の脅威にも直面している。同ウイルスの感染症による死者は400人を超えている(7月14日現在)。
しかし、反政府武装勢力フーシ派(Huthi)が掌握する北部では、新型コロナウイルスによる影響が明らかになっていない。イエメンの暫定政権は、実際の感染者数を隠蔽(いんぺい)しているとして同勢力を非難している。(c)AFP