北京のコロナ集団感染とサーモンは無関係、ノルウェーが反論
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【6月17日 AFP】ノルウェーは17日、中国・北京で最近明らかになった新型コロナウイルスの集団感染について、ノルウェー産のサーモンは原因ではないと反論した。中国では多くの飲食店や小売店が輸入サーモンの販売を中止していた。
北京では新たな集団感染が報告され、先週以降少なくとも137人の感染が確認されている。これが同市の食肉卸売市場「新発地(Xinfadi)」と、輸入サーモンを切るまな板に関係があると報じられたことを受け、中国ではノルウェー産のサーモンに厳しい目が向けられていた。
ノルウェーの地元メディアは、オッド・エミル・インゲブリクトセン(Odd Emil Ingebrigtsen)水産相が「問題は解決に向かっている」と語ったと伝えている。
インゲブリクトセン氏は、中国とノルウェーの関係者らが16日に協議し、新発地市場で先週検出されたウイルスをもたらしたのはノルウェー産のサーモンではないという結論に至ったと述べたという。
専門家らは、サーモンは新型ウイルス感染症の媒介ではない可能性が高いとしている。
ノルウェーの海洋研究所に勤務する感染症専門家は、「感染はサーモンからではなく、製品または人々が使用する道具の汚染からではないかと考える」と述べた。一方で、魚によるウイルス感染拡大の可能性については、研究が進んでいないことを認めている。
また、中国疾病対策予防センター(CCDC)の呉尊友(Wu Zunyou)所長も、まな板の上でウイルスが検出されたからといって「(そのウイルスが)輸入魚介類からもたらされたと証明するには不十分」だと指摘。
呉所長はテレビ局の取材に対し、ウイルスをもたらしたのは「感染者である可能性もある」と話した。
中国は昨年、約2万3500トンのノルウェー産サーモンを輸入。ノルウェーのサーモン産業にとって、中国は非常に有望な市場とみなされている。(c)AFP