【4月12日 AFP】昨夏にネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)を獲得するなど、大型補強を繰り返してきたフランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)が、欧州サッカー連盟(UEFA)が定めるファイナンシャル・フェアプレー(FFP)規定への違反で罰則を科される可能性が高いと、11日の英経済紙が報じた。

 カタールのオーナーの資金力をバックに持つPSGは、史上最高額の移籍金2億2200万ユーロ(約295億円)を支払ってブラジル代表のスターであるネイマールをスペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)から獲得。さらに現在はASモナコ(AS Monaco)から期限付き移籍という形をとっているキリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)も、数週間後には最大1億8000万ユーロ(約240億円)での買取が完了するとみられている。

 UEFAが2010年から導入したFFPでは、赤字を3シーズンで3000万ユーロ(約40億円)までに抑えることが義務づけられているが、英紙フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)の11日の記事によれば、PSGが主張していた2億ユーロ(約265億円)のスポンサー収入は「水増し」であるとされている。

「これまでの調査で、2億ユーロ相当のスポンサー収入はクラブによって『水増しされた』ものであることがわかっている。そして、UEFAがこのスポンサー契約に本来よりも高い価値を認めない限り、FFPに詳しい人々によれば、PSGは規定に違反することになる」

 PSGはこの報道にすぐさま反応。声明を発表して「英メディアからの当クラブに関する誤った情報だ」と反撃し、「手続きは現在も進行中。クラブはUEFAの担当者と常に連絡を取り合っており、なんの心配もなく、4月20日にUEFAの前に姿を見せる」と話している。

 UEFAはネイマールとエムバペが移籍した直後からPSGの会計状況を調査しており、昨年9月には「特に先日の移籍市場での活動に関して、PSGが収支の均衡という要件を満たしているかを中心に調査する」と発表していた。

 PSGは2014年にもFFPの規定に違反して6000万ユーロ(当時約85億円)の罰金を科された。6月のクラブの会計年度末までに収支のバランスが取れず、2回目の違反を犯すことになれば、PSGには欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)からの除外など、前回よりもはるかに重い処分が下される可能性もある。

 英国の法律事務所でスポーツビジネスを担当する弁護士は「PSGが違反を犯していると知りながら、軽い罰で済ませるようなことがあれば、ライバルクラブはもちろん、サッカー界全体からFFPの実効性について疑問が投げかけられるでしょう」と話した。(c)AFP