【11月30日 AFP】現在欧州の全人口の5%に満たないイスラム教徒の割合が、今後も合法的な受け入れが維持された場合、数十年以内に11%以上になるという調査結果が30日、発表された。受け入れが即時停止された場合でも増加は続くという。

 米国を拠点とするシンクタンク、ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)が発表した「欧州で増加するムスリム人口(Europe's Growing Muslim Population)」と題された調査では、移民流入のレベルについて「ゼロ」「中」「高」の3シナリオを想定。政府統計や他の調査結果に基づいて試算している。

 欧州で移民受け入れを即時全面停止したとしても、欧州連合(EU)加盟28か国にノルウェー、スイスを加えた国々におけるイスラム教徒の人口は、2016年の4.9%から2050年には7.4%に増加すると見込まれるという。

 イスラム教徒の人口増加の理由については、出生率の高さに加え、イスラム教徒以外の平均年齢よりも13歳も若いことが挙げられている。

 移民の流入レベルを「中」としたシナリオでは、大量の難民が流入した2015~16年以前のレベルに戻ると仮定。欧州の全人口に占めるイスラム教徒の割合が2050年までに現在の2倍以上の11.2%まで増加すると予測している。

 また、流入レベルが「高」の場合では、15~16年の記録的な水準が続くと仮定。このシナリオでは欧州の全人口に占めるイスラム教徒の割合は2050年までに14%に増加すると見込まれている。ただ、ピュー・リサーチ・センターは「それでもキリスト教徒や無宗教の人々が占める割合より大幅に少ない」と指摘している。(c)AFP