【4月27日 AFP】男子テニス、四大大会(グランドスラム)通算14勝のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が26日、国際テニス連盟(ITF)に宛てた公開書簡を送り、これまでのプロ生活で受けてきたドーピング検査の結果を公表するよう依頼した。

 ナダルは前日、ドーピング違反を犯したとする主張で名誉を傷つけられたとして、フランスのロゼリーヌ・バシュロナルカン(Roselyne Bachelot-Narquin)元スポーツ相を提訴したと発表していた。

 バシュロナルカン氏は、3月にフランスで出演したテレビ番組で、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2016)の薬物検査で違反が見つかったマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)に関するコメントを求められた際、スペインの人気選手であるナダルへの疑惑に言及。ナダルが2012年にツアーを欠場したのは、ドーピング違反を隠すためで、負傷は偽りだったと話した。

 ナダルはITFのデビッド・ハガティ(David Haggerty)会長に宛てた書簡の中で、「行動や考え方について、透明性と誠実さを2本の柱とする僕らテニス界が、旗艦のような存在にならなければならない」と主張。

 長年のATPツアー参戦を通じ、ドーピング検査で陽性を示したことが一度もないナダルは、いわれのない疑いをかけられたことについて「僕らの競技や統括団体が、世界に向けて発信すべき時が来たと感じている」と続けた。

「大会、そして抜き打ちで何度テストを受けてきたか、自分では承知している。僕の情報を公表してください。生体パスポート、ドーピングコントロール、そして過去の検査結果を明かしてください」

「僕は同時に、誤った情報を広めた人物に対しては、訴訟を起こすべきだと考えています。僕らのテニス界で、根拠もなしに発言したり疑いをかけたりすることは、やめさせなければなりません」

 ITFはこれを受けて声明を出し、書簡を確かに受け取ったとすると、ナダルがドーピング違反を犯したことはないと強調し、同選手が個人的に検査結果を公表するなら、連盟側がその精度を保証すると話している。(c)AFP