【4月26日 AFP】男子テニスのスター選手、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は25日、ドーピング違反を犯したとする主張で名誉を傷つけられたとして、フランスのロゼリーヌ・バシュロナルカン(Roselyne Bachelot-Narquin)元スポーツ相を提訴したと発表した。

 ナダルは声明の中で、「本件について、自分の名誉やアスリートとしてのイメージだけでなく、キャリアを通じて貫いてきた価値観を守りたいと思う」とすると、「名誉棄損」が成立すると訴えた。

「確たる証拠や疑いを裏付けるものがない中、メディアを利用して、アスリートに対してうその疑いをかけたり、中傷行為に及んだりすることを阻止したい。同時に、それが罰せられないなどということがないようにしたい」

 2007年から2010年までスポーツ相を務めたバシュロナルカン氏は、3月にフランスで出演したテレビ番組で、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2016)の薬物検査で違反が見つかったマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)に関するコメントを求められた際、スペインの人気選手であるナダルへの疑惑に言及。ナダルが2012年にツアーを欠場したのは、ドーピング違反を隠すためで、負傷は偽りだったと話した。

 ナダルはこの発言を受けて、すぐさまAFPに自身の見解を明かし、本当の「正義」を求めて法廷闘争に持ち込み、運動能力向上薬の使用を疑う声を一蹴したいと話していた。

 四大大会(グランドスラム)通算14勝の強豪ナダルは、「こういったことはもうたくさんだ。これまでは見逃してきたが、今後はそういうわけにはいかない」と述べ、「フランスのような大国で大臣を務めていた人なら」もう少しましな振る舞いができたのではないかと批判していた。

 ナダルは、長年のATPツアー参戦を通じ、ドーピング検査で陽性反応を示したことは一度もない。(c)AFP