【3月11日 AFP】マリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)がドーピング検査での違反を公表し、黄金世代の衰退が刻一刻と近づく中、今後のテニス人気にどのような影響が出るのか、不安の声があがっている。

 しかし専門家は、テニス界がこの苦境を乗り越えるだろうと指摘している。女子アスリートの稼ぎ頭であるシャラポワが、キャリアに終止符を打つかもしれない処分の決定を待つ中、スポーツ市場調査会社レピュコム(Repucom)のジョン・スタイナー(Jon Stainer)マネジングディレクターは、AFPに対し「マリア・シャラポワのドーピング問題が、テニス界にとってマイナスであることは間違いないですが、おそらく自転車や陸上の短距離が受けたようなダメージはないでしょう」と説明した。

「(大きなダメージを受けた)競技・種目では、多くの選手が長期間にわたってドーピングを行っていましたから」

 個人資産2億ドル(約226億円)といわれる28歳のシャラポワは、米経済誌フォーブス(Forbes)が発表した昨年の長者番付で、年収が3000万ドル(約33億9000万円)だったとされており、そのほとんどが競技以外の広告収入だという。

 四大大会(グランドスラム)のシングルスで通算21回の優勝を誇るセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)も、同5勝のシャラポワに続き、年収は2500万ドル(約28億2500万円)に上る。

 これはまさに、女子テニス界における両選手の重要性を示しており、ツイッター(Twitter)のフォロワー数でも、世界ランク1位のセレーナが600万、同7位のシャラポワが200万以上を記録しているのに対し、その間にいる選手(アンゲリク・ケルバー〈Angelique Kerber、ドイツ〉、アニエスカ・ラドワンスカ〈Agnieszka Radwanska、ポーランド〉、ガルビネ・ムグルサ〈Garbine Muguruza、スペイン〉、シモナ・ハレプ〈Simona Halep、ルーマニア〉、カルラ・スアレス・ナバロ〈Carla Suarez Navarro、スペイン〉)は、5人合わせて60万人がフォローするにとどまっている。

 女子テニス協会(WTA)としては、プレーにむらがあるものの、写真映えのするカロリーネ・ボズニアツキ(Caroline Wozniacki、デンマーク)や、ユージェニー・ブシャール(Eugenie Bouchard、カナダ)といった選手が、グランドスラムのような大舞台で活躍することを祈りたくもなるだろう。