【10月29日 AFP】トルコの首都アンカラ(Ankara)で今月発生した平和集会を狙った大規模な爆弾攻撃について、同国の検察当局は28日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の命令を受けた工作組織による総選挙の妨害を狙った犯行だったと発表した。

 アンカラ検察当局は、今年7月にシリアとの国境に近い南部スルチ(Suruc)で発生した爆弾事件など、同国で発生した他の攻撃にもこの組織が関与したことや、同組織がさらなる攻撃を計画していたことなどを示す「強力な証拠」があるとしている。

 同検察当局は声明で、「この組織は、トルコ国内の(クルド人武装組織の)クルド労働者党(PKK)や、ダーイシュ(Daesh、ISのアラビア語名の略称)に反対する標的の全てに攻撃を加えるための許可をシリアのテロ組織(IS)から得ていた」と発表。工作組織は、内戦で荒廃するシリアとの国境に接する南東部ガジアンテプ(Gaziantep)を拠点にしているという。

 今月10日に起きたアンカラの爆弾事件では、親クルド人活動家や左派の人々が主催する平和集会が標的とされ、102人が死亡。トルコ史上最悪の事件となり、来月1日の総選挙を前に緊張が高まった。(c)AFP/Fulya OZERKAN