【6月13日 AFP】イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」の開始を前に、アフガニスタンの首都カブール(Kabul)市内各所にある、米ラスベガス(Las Vegas)並みに派手な結婚式場はどこも「駆け込み需要」のピークを迎えていた。

 降り注ぐ紙吹雪、花冠をかぶった花婿の周りを手拍子を叩きながら旋回する踊り手たち──どんちゃん騒ぎやダンスが禁止されていた旧支配勢力タリバン(Taliban)政権下の時代とは対照的な、華やかさにあふれている。こうした結婚式では、どこにでも存在する「結婚式荒らし」を数に入れなくても通常数百人もが出席し、男女別に分けられたホールに集う。長い招待客リストは、義理固さや裕福さを示すステータスシンボルとみなされる。

 しかし今、アフガニスタン議会では、手に負えないほど膨れ上がった招待客リストを制限する規制に乗り出そうとしている。

■散財志向の結婚式

「アフガニスタンでは、村全体、部族全体を結婚式に招くし、以前結婚式に招いてくれた人も全員招待する。加えてそれぞれが自分のゲストを連れてくる。もしも1000人招くのなら、1500人をもてなす準備をしておかないと」とAFPの取材に答えたアクバル・サバウーンさんの後ろでは、いとこの結婚式のために伝統的な民族舞踊、アタン(Attan)が始まっていた。

 前庭に巨大なエッフェル塔(Eiffel Tower)のレプリカがそびえ立つ結婚式場「パリ宮殿(Qasr-e-Paris)」のホールでは、ネオンがきらめきドラムが鳴り響く。

 だが一方で最近、こうした散財志向の結婚式を抑制する法案が、反対の声が渦巻く中、同国の国会を通過した。招待客の数を500人に、仕出し料理の費用を一人当たり400アフガニ(約860円)に制限する法律だ。

 この法案には、新郎の巨大な経済的負担を緩和する意図が込められている。新郎は通常、結婚式の宴会費用から、新婦の家族へ現金や物品、家畜の形で支払う婚資まで、結婚に伴う出費のすべてを賄う。貧困や戦争によって荒廃したアフガニスタンで、なけなしの財産が結婚式のために散財され、家族たちに膨大な借金を負わせ、さらにはこうした習慣が若者の晩婚化を招いていると議員たちは指摘する。