■下部リーグへの忠誠心

 ブラジル全国選手権2連覇を果たし、リーグ最高の平均2万9700人の動員数を誇るクルゼイロEC(Cruzeiro EC)でさえも、客席の半数しか埋まっていない。また、最多となる5万8627人の観客を動員したのは、敵地モルンビ・スタジアム(Morumbi Stadium)で行われたサンパウロFC (Sao Paulo FC)戦だった。

 プルリ・コンスルトリア社は、クルゼイロの集客力は世界70位と発表している。その他でトップ100入りしているブラジルのクラブは、3部のサンタクルスFC(Santa Cruz FC)のみとなっている。

 サンタクルスのファンは、下部リーグに忠誠を誓っている。北東部レシフェ(Recife)に拠点を構えるサンタクルスは、2013シーズンに平均2万6500人を動員し、コリンチャンス(Corinthians)やフラメンゴ、サンパウロFCといったブラジルの「強豪」を抑え、アメリカ大陸で12位の集客力を誇る。

 創設100周年を迎えたサンタクルスは、白と黒と赤をクラブカラーに掲げ、低所得層や有色人種のファンの支持を得ている。

 クラブのアントニオ・ルイス・ダ・シウバ・ネト(Antonio Luiz Da Silva Neto)元会長は、「われわれのファンは忠誠を誓っており、情熱的だ。過酷な状況にも慣れているので、苦しいときでもチームを見捨てない」と話し、リーグは富裕層が多い南部や南東部に影響を受けすぎていると指摘した。

「今日のブラジル全国選手権は、南部・南東部選手権と化している。差別的なリーグになってしまった」

 ブラジルから多くのトップ選手が欧州リーグに移籍する中、ネト元会長は「世界のトップ23に入る唯一のブラジル人はネイマール。それが国内サッカーの衰退を示している」と苦言を呈した。(c)AFP/Rosa SULLEIRO