【7月10日 AFP】サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)準決勝でドイツに歴史的大敗を喫してから一夜明けた9日、ブラジル各紙は「屈辱」の責任はルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)監督にあると非難し、国民的スポーツの「再生」を訴えた。

 日刊紙グロボ(O Globo)は、この試合でゲームキャプテンを務めたダビド・ルイス(David Luiz)がピッチに膝をついてうなだれる写真とともに、「困惑、恥、屈辱」という見出しを一面で報じた。

 ブラジルサッカー史上最悪となる1-7の敗戦を受け、同紙のスポーツ面では試合に出場したすべてのブラジル代表選手の採点に0点をつけた。

 グロボ紙はまた、ベロオリゾンテ(Belo Horizonte)のミネイロン(Estadio Mineirao)で喫した大敗を、本拠地開催の決勝で優勝を逃した1950年大会の「マラカナッソ(マラカナンの悲劇)」を上回る惨劇だと伝えている。

 同紙コラムニストのフェルナンド・カラザンス(Fernando Calazans)氏は、歴史的敗戦は「(マラカナンの)悲劇を大きく上回る」とし、サッカー界の上層部が最高のストライカーや最高の司令塔を育てるのではなく、屈強なDFやパワフルなFWを育てることに力を注ぎすぎたのではないかと疑問を呈した。

 カラザンス氏はまた、「ブラジルサッカーに解決策は一つしかない。それは生き返るということだ。ブラジルサッカーは生まれ変わらなければならない。再生しなければならない」と寄稿している。

 エスタド・ジ・サンパウロ(O Estado de Sao Paulo)紙は、「ホームでの屈辱」と報じ、歴史的大敗が「国を混乱に陥れた」と伝えた。

 フォリャ・ジ・サンパウロ(Folha de Sao Paulo)紙は、闇に包まれたスタジアムに薄暗く光る照明とスコアが映し出された巨大なスクリーンの写真を掲載し、「1950年にウルグアイに1-2で敗れたのは悲劇的な出来事だったが、2014年の敗退は屈辱に満ちたものだ」と報じ、現役を退いた選手や監督たちは、サッカー界の「組織再編」を求めていると伝えた。

 スポーツ紙ランス(Lance)は、ほぼ白紙の一面を使用し、その下段で読者に、「怒り、混乱、痛み、落胆、いら立ち、恥、悲しみ。あなたの気持ちを教えてほしい。そしてあなた自身のランスの一面を作ってほしい」と呼びかけた。

 2002年日韓大会の優勝メンバーで、元ブラジル代表のジュニーニョ・パウリスタ(Juninho Paulista)氏は、ランスで歴史的大敗を、「ブラジルサッカーに対する警告のサイン」とし、「フィジカル優先主義は選手の力を制限している。われわれはブラジルの最大の強みを忘れてしまった。それは創造性あふれる中盤だ」とコメントした。

 ジア(O Dia)紙は、怒りの矛先をスコラーリ監督に向け、「地獄に落ちろ、フェリポン(スコラーリ監督の愛称)。彼は代表チームの100年の歴史上最悪の屈辱に対する責任がある」と伝え、スコラーリ監督が以前、自身のスタイルを好まない者は「地獄に落ちる」だろうと言ったことを揶揄している。(c)AFP/Laurent THOMET