【10月3日 AFP】第17回アジア競技大会(17th Asian GamesAsiad)は2日、サッカー男子決勝が行われ、韓国が1-0で延長の末に北朝鮮を下し、金メダルを獲得した。

 開催国の韓国は、延長戦の事実上最後のプレーで得点し、手に汗握る決勝を制した。

 感情をかき立てる決勝で、任倉佑(Chang-Woo Rim、リム・チャンウ)が至近距離から決勝点を挙げた韓国は、1986年大会以来となる通算4度目の優勝を飾った。

 数秒後に試合終了のホイッスルが鳴らされると、雨に濡れながら観戦した4万7000人の観客は歓喜に沸き、拮抗した戦いを終えた選手たちはピッチに倒れ込んだ。

 この勝利により、韓国の選手は2年間の兵役を免除されることになる。

 韓国の李光鍾(Kwang-Jong Lee、イ・カンジョン)監督は、「28年ぶりの金メダルを獲得した選手たちを非常に誇りに思います。厳しい試合でしたが、彼らは素晴らしかった」とコメントした。

 一方で、北朝鮮の尹正水(Jong-Su Yun、ユン・ジョンス)監督は、決勝点の前にファウルがあったのではないかと、ジャッジに対しての怒りをあらわにした。

「副審はフラッグを上げた後に下ろした。選手はフラッグが上がったためにプレーをやめたが、試合は続行となり得点された。審判団は公平であるべきだが、主審はわれわれのために笛を吹きたがらなかった」

 韓国は、試合の主導権を握りながらも決め手に欠いたが、試合時間120分が経過したところでCKから得点を挙げた。

 北朝鮮ディフェンスが混乱に陥る中、李龍在(Yong-Jae Lee、イ・ヨンジェ)のシュートがゴールラインを割ったようにも見えたが、任倉佑がこぼれ球をボレーシュートで押し込んだ。

 北朝鮮の選手がこらえきれずに泣く中、尹正水監督は拳を振り上げて審判に抗議したが、リプレー映像で見られたファウルは北朝鮮選手のハンドだけだった。

 ピッチを去った尹正水監督は、「不公平だ」と叫んだ。

「イラク戦で審判は多くの判定をむげにしたが、今夜もそうだった。それを記者のみなさんに伝えておきたい。ホームアドバンテージなどあってはならない。審判は公平でなければならない」

(c)AFP