【10月3日 AFP】第17回アジア競技大会(17th Asian GamesAsiad)のボクシング競技では、インドの女子選手が判定に抗議して銅メダルを拒否したばかりだが、2日に行われた男子ボクシングの試合で新たな疑惑が浮上し、出場国の関係者が、「地元選手に有利な判定だ」と批判した。

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 2日に行われたライトフライ級の準決勝に出場したフィリピンのマーク・アンソニー・バリガ(Mark Anthony Barriga)は、対戦した韓国のシン・ジョンフン( Shin Jong-Hun)の顔にひどいあざができるほどの強烈なパンチを浴びせ、試合終了後には勝利を確信して喜んだ。

 しかし、軍配はシン・ジョンフンに上がり、フィリピン・ボクシング協会(Association of Boxing Alliances in the PhilippinesABAP)のリッキー・ヴァルガス(Ricky Vargas)会長は、3-0の判定に疑問を呈した。

 ヴァルガス会長は、「韓国の選手に勝つことがとても難しいというのは事実だ」とコメントした。

 ヴァルガス会長はAFPの取材に対し、「この国では、地元選手への有利な判定が一般的になっている」と語っている。

 今大会ではこれまでに、女子ボクシングのライト級に出場したインドのサリタ・デビ(Sarita Devi)が、準決勝で疑惑の判定により敗戦したことに抗議して銅メダルの受け取りを拒否した。

 これを受けて国際ボクシング協会(International Boxing AssociationAIBA)は、デビに対する処分を協議している。

 ボクシングの判定は、厳密な根拠に基づくものではないが、新たに導入されている採点方式は、韓国人ボクサーに有利な判定が下された一連の試合と同様に議論の的となっている。

 バリガはAFPに対して、「この結果は間違っている。次は公平な判定がされるだろう」と語った。

「勝ったのは僕だと思う。僕のほうが強烈なパンチを明確に当てていた。目標は金メダルだったけど、神が僕に与えたのは銅メダルだった」

 しかしながら、バルガはメダルを拒否することなく、「誇りを持って」首にかけるとしている。

 バルガは、デビの例に習うのか尋ねられると、「もちろん、そんなことはしない」とし、「僕はいつもフィリピンの誇りを持ってメダルをかけるよ」と語った。(c)AFP/Daniel HICKS