<菅付雅信:新連載「ライフスタイル・フォー・セール」>第四回:物欲主義や流行に嫌悪する人たちが支持する新たな消費
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■ショップは目利きとしての機能を求められる
日本のストアデザインに関する専門誌『商店建築」2013年9月号では、このムーブメントに着目し、ライフスタイル提案型のお店について、次のような特徴付けを行っている。
●複合したプログラム(「カフェ+雑貨店」など)が、それぞれに主従の関係でなく、等価である。つまり、カフェと雑貨店の、どちらがどちらに付帯しているのか判別しがたい。●売られている商品が、ジャンルによってではなく、世界観やコンセプトによってセレクトされている
また、こうしたお店の増加背景については次のように述べられている。
「例えば、長引く物販店の売れ行き不振。店舗経営者は、いかに間口を広げて、多くの客を店に誘引するかにしのぎを削っています。更に、商品に関する情報や商品の種類が増えたこと。つまり、ショップが目利きとしての機能を求められているわけです。(中略)このあたりの背景を無視して、形だけのライフスタイル提案型ストアをつくろうとすると、おそらく計画は迷走します(中略)これから増加するライフスタイル提案型ストアの成功のポイントは、おそらく、オーナー(またはディレクター)の個性です。これまでも重要でしたが、ますます重要になりそうです」
※参照リンク①:http://www.shotenkenchiku.com/blog/shuzai/entry-533.html
また、最近話題の「ビオトープ」や「サタデーズサーフニューヨーク」などのライフスタイルショップを展開するジュンの佐々木社長は繊研新聞の記事(2013年7月30日)の中でライフスタイル提案の背景について次のように語っている。
「ファションビジネス(FB)においてライフスタイル提案が注目されてきた背景には、一つは日本が発展途上から欧米型の成熟社会になり、価値観として、所有の価値から使用の価値を求めるようになったという点だ。発展期にはモノが欲しかったが、モノをもっているだけでなくどう楽しむか、質の良い生活への欲求、例えば海外の都市生活へのあこがれ、都市と郊外でのダブルライフに対する欲求などが使用の価値につながっていると思う。
二つ目にリアル店舗の役割の変化とオーバーストア。ネット通販が台頭し、目的買いで強さを出し、リアル店舗もプラスアルファが必要になった。さらにこの10年でアパレルの市場が約1兆円縮小したのに対して売り場面積は30%増えた。体験し、過ごし、発見する場所といった機能が必要になったのではないか」
※参照リンク②:http://www.senken.co.jp/news/11127/
ライフスタイルショップがリアル店舗として生き残るためには、おそらくはオーナーやディレクターの個性に委ねられる要素が増えていくのだろう。「物欲主義への嫌悪感」や「流行に疲れて、世の中の変化に左右されない」消費スタイルという新たな次元に、時代は足を踏み入れようとしている。【菅付雅信】
■プロフィール
1964年宮崎県生まれ。法政大学経済学部中退。「コンポジット」、「インビテーション」、「エココロ」などを創刊し編集長を務める。現在は雑誌、書籍、ウェブ、広告などの編集を手がける。著書に「東京の編集」「はじめての編集」「中身化する社会」等がある。
(c)MODE PRESS
<インフォメーション:外部サイト>
※参照リンク①:商店建築/該当記事
http://www.shotenkenchiku.com/blog/shuzai/entry-533.html
※参照リンク②繊研新聞/ジュン 佐々木進社長インタビュー記事:
http://www.senken.co.jp/news/11127/
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