【8月18日 AFP】インドネシア最大の動物園、スラバヤ動物園(Surabaya Zoo)で、20年にわたる経営陣の対立で動物の飼育がおろそかにされたため、絶滅の危機にある希少なスマトラトラなど数百匹の動物が死んでいると、同動物園の職員が16日明らかにした。

「経営陣が動物園の経営権をめぐって争うのにかまけていたおかげで、動物は放置されて死んだのです」と同動物園の暫定的経営陣の1人であるトニー・スマンパウ(Tony Sumampau)さんは明かした。

 11日にメスのライオン1頭、その2日前にはカンガルーの一種のメス1匹が死んだほか、14日には20歳になるスマトラトラ1頭が死んだ。

 6月から8月までの期間だけで、過密状態になるなど飼育環境の悪化や病気で20匹の動物が死んでいる。

 1月にも、コモドオオトカゲの赤ちゃん13匹が、日光が入らない過密状態のおりで飼育されていたために死んだという。

 同氏の記録によると、2008年には362匹が死に、2009年は327匹が死んだ。大半は、肺炎や下痢、栄養不良など治療可能な病気だったという。

 動物園で飼育されている数千匹の動物は、きたない窮屈なおりに押し込まれ、衰弱しているという。

 スマンパウさんは、動物園の維持費としてインドネシア政府が年間数十億ルピア(数千万円)を支給しているにもかかわらず、経営陣は約20年もおりを新しくしていなかったと話している。(c)AFP