それでも彼は、日本のファッションカレンダーは世界での成功に不利なスケジュールになっていると認めた。

 毎年3月と10月に開催される東京コレクションは、ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリといった世界の主要ファッション・ウィークが一通り終わってから数週間後に、ようやく順番が回ってくる。そのため世界のファッションエディターやバイヤーの大半は、東京の前に疲れ切ってしまい、長時間のフライトに耐えてまで見に来ようとしない。

「今はまだ日本におけるプレスやセールスへのスケジュール組みを行っているが、それを海外でもしっかり露出するために組み替える時期が今なのかな」

 2004年から日本に住み、東京を拠点とするスタイリストでブロガーのミーシャ・ジャネット(Misha Janette)氏は、欧米での成功を目指す日本人デザイナーの多くが直面する大きな課題は好みの違いだと語る。同氏は日本の市場を、高額でハイファッションというより保守的でカジュアルだと総括し、シンプルな服はパリでは「売れない」と警告した。

「私が思うに一番大事なのは、シンプルな既製服と、自分たちの視点を示すショーで見せる服とのバランスを取ることだ」と、ジャネット氏は指摘する。「大半の日本のブランドは投資を得ておらず、家のガレージで服を作っていた少女や少年たちが今も独りでやっているようなもの。ショー用の服と既製服を両立させず、二者択一になっている」(c)AFP/Jennie MATTHEW