第2四半期の航空運賃に上昇傾向
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【4月22日 東方新報】中国航空運輸協会(CATA)の公式微信(ウィーチャット、WeChat)アカウントによると、4月14日、同協会は2025年第1四半期の理事会メンバー向け情報共有会を開催した。
協会の潘億(Pan Yi)新常務副理事長が2025年第1四半期における国内外の業界動向を報告した。それによれば、同期間の航空燃料価格は変動を伴いつつも下落し、国内航空灯油の平均価格は1トンあたり6012元(約11万7421円)で、前年同期比で9.9%減となった。今後については、国際原油価格は引き続き不安定な推移が予想され、不確実性が大きい。第2四半期のブレント原油の平均価格は1バレルあたり66~68ドル(約9341円~9717円)と見込まれ、前期比で約10%、前年同期比で約13%の下落、年間では70ドル(約1万円)を下回る見通しである。
2025年第1四半期、人民元相場は外的要因と国内の安定維持策の綱引きの中でやや上昇傾向を示し、航空会社は為替差益として4000万元(約7億8125万円)を計上した。米国の大幅な関税引き上げにより人民元の下落圧力は強まったが、国内政策の積極的な対応、緩やかな景気回復、中国人民銀行(People's Bank of China、中央銀行)の多様な為替管理手段に加え、ここ数年で強化された外為市場の耐性により、人民元は合理的な水準での安定が保たれている。
報告では、第1四半期の航空業界は安全面で安定を維持し、運航実績は大きく伸びたものの、経済面の利益はやや低下したとされる。民間航空の旅客便は約138万5000便で、前年同期比2.9%の増加となった。春節(旧正月、Lunar New Year)前後の帰省とUターンラッシュでは運航便数が過去最多となり、1日あたりの旅客便は1万7000便を超えた。国内線では、40の航空会社による旅客便の合計が132万便、前年同期比2.3%増となり、そのうち25社は前年より増便した。
国際線では、主要20か国のうち9か国(シンガポール、マレーシア、英国など)で2019年の水準を上回り、カタール、ラオス、ロシアでは回復率が150%を超えた。第1四半期の航空機の1日あたり平均稼働時間は9.2時間で、前年同期より0.3時間増加。全体の平均搭乗率は83.8%で、前年同期比1.7ポイント上昇、前四半期と同水準、2019年比では0.1ポイントの増加となった。
報告では、年初からの航空旅客市場は安定的に回復しており、旅客輸送量は同時期として過去最高を記録。国際線および地域路線の旅客数も大きく伸び、ついに国際線の規模がコロナ前の水準を上回ったとされている。これには、春節期間中の「避寒旅行」や「雪景色観光」、春節らしさを感じられる観光地への需要が高かったこと、さらには訪中旅行の促進政策によって日本や韓国などからの観光客が増加したことが大きく影響している。
第2四半期に入ると、航空旅客市場は例年通りの閑散期に入ったが、全国的には回復が進み、主要空港の旅客数は安定して増加している。航空券の運賃は上昇傾向にある。清明節連休中には国内の観光市場が活気を見せ、民間航空による旅客輸送量は前年同期比で10%以上増加し、鉄道を2.7ポイント上回った。「メーデー」(5月1日)連休が近づくにつれ、再び旅行需要のピークが訪れる見込みであり、航空市場はさらなる回復が期待されている。
また、今回の報告では高速鉄道と航空の競争・協力関係についても分析された。現在、航空と高速鉄道の運賃が接近し、サービス水準も類似してきている中で、旅客層にも変化が見られるという。
一方では、航空の上位クラス利用者が高速鉄道へと流れている。高速鉄道はスピードアップが進み、ドア・ツー・ドアで見た移動時間や運行の安定性において強みを持ち、ビジネス客やハイクラス利用者の一部が鉄道に流れている。
他方、高速鉄道の一般客が航空へと移っている。2024年には航空・鉄道ともに旅客数が大幅に増加し、それぞれ前年比17.9%、11.9%増となったが、航空の伸び率は鉄道を大きく上回った。全体の搭乗率も高水準を維持しているが、ビジネスクラス・ファーストクラスの搭乗率は下がり、その分を一般旅客が補っている状況だ。航空各社が提供する「割引運賃」が多くの一般客を鉄道から航空へと移行させており、現在は航空と高速鉄道の旅客の「相互流動」が起きている状況だ。(c)東方新報/AFPBB News