【5月2日 AFP】フィリピン沿岸警備隊は1日、中国海警局が南シナ海(South China Sea)でフィリピン船に対する攻撃を強め、放水銃による攻撃で乗組員の命を脅かしていると主張した。

 フィリピンと中国が領有権を争う南シナ海ではここ数か月、フィリピン船に対する中国船の放水や衝突が相次ぎ、フィリピン兵が負傷したこともある。

 フィリピン側の説明によると、4月30日にはルソン(Luzon)島沖のスカボロー礁(Scarborough Shoal)近海で中国海警船が放水銃を使用し、フィリピン側の巡視艇や政府の船が損傷した。

 沿岸警備隊のジェイ・タリエラ(Jay Tarriela)報道官は、今回の放水の水圧は従来よりもはるかに強力な1平方センチ当たり14キロで、フィリピン船の金属部分や装備が裂けたり曲がったりしたと説明。「人の命を奪いかねない非常に危険な行為なのは明らかだ」と述べた。

 だが、乗組員は船内に避難するよう指示されていたため、負傷者は出なかったという。

 タリエラ氏は「中国海警局は緊張を高め、フィリピン沿岸沿岸警備隊に対する攻撃の度合いを強めている」と指摘した。(c)AFP