【4月17日 東方新報】直径約20~30マイクロメートルのガラスビーズ状の粒子の内部に放射性同位元素Y90を封入してカテーテルで患部に送り込む肝臓がん治療ツール「Y90ガラス微小球」、腫瘍疾患の検出に焦点を当てた人工知能画像設備、運動障害を持つ人の身体の鍛錬のため体重の一部を支える機能をもつ「反重力ランニングマシン」など、13日から18日まで開催されている「第4回中国国際消費品博覧会」の「国際健康消費分会」のエリアでは、世界の最先端医療から「ブラックテクノロジー」満載の設備が数多く出展されている。

 海南省(Hainan)博鰲鎮(Boao)の「楽城(Lecheng)国際医療観光先行区」に設置された「国際健康消費分会」は、展示面積8100平方メートル、中国市場にまだ登場していない革新的な医療機器を専門に展示した中国唯一の大規模な展示会だ。30社を超える国際的な医療機器メーカーが800種類以上の革新的な製品を展示している。

 同区は中国の「医療特区」として知られ、医療、研究、運営、国際医療交流などが特別に認可され、国際的で革新的な医療機器が中国市場に参入する主要なルートとなっている。同区で実用化されている中国市場にはまだ参入していない革新的な医療機器は、390種類以上にも上る。

 今回展示された革新的な製品には、最先端の医療機器と先進的な医療サービスソリューションの二つの分野にまたがっている。

 米国系の「メドトロニック(Medtronic)」の新世代「Micra無導線型心室ペースメーカー」は、世界最小のペースメーカーとして知られ、カプセルほどの大きさしかない。同社の中国における脈拍診断、心臓外科、心臓アブレーション事業グループの林松(Lin Song)副総裁の話によると、2023年5月に米国で販売承認されたこの製品の重さはわずか2グラムで、最長17年近く体内で休まず連続作動することができるという。

 同社のショールームには、不整脈治療用の「皮下植入型除細動器(S-ICD)」、心房細動治療用の「房室伝導パルスフィールドアブレーションシステム」、下肢静脈瘤治療用の「高周波閉塞システム」など、国際的な先端的な医療機器も多数展示されている。

 ドイツが発祥の米国系歯科治療機器メーカー「デンツプライシロナ・デンタル(%Dentsply Sirona)」の中国法人の全国デジタル化アプリケーション・顧客体験部門のマネージャー黄凌(Huang Ling)氏は、展示会でドイツ製の革新的な「チェレック(CEREC)歯科修復設計システム」を紹介した。これは従来の入れ歯加工とは異なり、患者の口内のスキャンデータを基にして3Dモデルで特許技術の「バイオ再製ソフトウェア」を使って隣の歯の形に合わせてクラウンを自動生成し、精密なコンピュータ制御加工機械で製造する方式のもので、その日のうちに患者に合わせたカスタマイズが完成できる技術だという。

 出展者は「中国の医療・ヘルスケア産業の可能性、特に技術主導のスマート医療分野の将来性を楽観的に見ている。中国市場における布石を広げるつもりだ」と語っている。

 メドトロニックの林松氏は「消費品博覧会は中国が世界とつながり、中国の発展のチャンスを共有する重要な舞台だ。中国市場の成長と政策的な支援は、グローバル企業の中国市場への投資拡大への意欲を後押ししている」と話している。(c)東方新報/AFPBB News