【4月17日 Xinhua News】中国海南省の昌江原子力発電所で建設されている世界初の陸上商用小型モジュール原子炉(SMR)「玲竜1号」でこのほど、デジタル制御システム(DCS)の最初のキャビネットが運び込まれ、設置や調整の作業が始まった。同発電所の建造・運営を担う海南核電が明らかにした。「玲竜1号」の建設はDCSの設置段階に入り、中央制御室の整備などの後続作業に向けた土台が整いつつある。

 DCSは原発プラント運転の「中枢神経」となる。海南核電の鄧暁亮(とう・ぎょうりょう)副総経理によると、「玲竜1号」のDCSは安全関連システムの「竜鱗プラットフォーム」と非安全関連システムの「竜鰭プラットフォーム」の二つからなり、いずれも中国が独自の知的財産権を持っている。前者は原子炉の安全制御を各種の運転状況で実現し、原発プラントの安全運転を保証する。後者は運転と管理を担い、原発プラントの効率的で経済的な運転を確保する。両プラットフォームが一緒になり、原発プラントの数百に上るシステムや1万近い設備の稼働と各種の運転状況を制御する。

 「玲竜1号」は2021年7月13日に建設を開始。原発大手の中国核工業集団(CNNC)が独自開発し知的財産権を持つ多機能モジュール式小型加圧水型原子炉で、第3世代原子炉「華竜1号」に続く自主イノベーションの重要な成果となる。(c)Xinhua News/AFPBB News