【4月15日 CNS】春が深まるにつれ、アウトドア活動や公園での遊びが盛んになっている。多くの中国の若者たちは自然とのふれあいを求め、「心の急速充電」を楽しんでいる。

 ネット上で人気を博している「公園20分理論」は、『国際環境保健研究ジャーナル』の論文に由来している。それによると、毎日少しの時間を屋外で過ごすことで、人々はより幸せになれる。運動をしなくても、公園で20分過ごすだけで気分が良くなるとされている。

「オフィスビルを出て公園に足を踏み入れ、ベンチに腰掛けて日光浴をし、スケートボードやテニスをする人、サックスを吹く人、のんびりと散歩したり歌を歌ったり、鳩に餌をやる人を眺めると、私もリラックスすることができます」と、24歳のグラフィックデザイナーの詹亦賢(Zhan Yixian)さんは述べている。

 上海市出身の「00後(2000年代生まれ)」の若者、魯兪明(Lu Yuming)さんは、「樹木を抱きしめる」ことを「充電」と見ている。樹木を抱きしめることは、ひとりの時間の過ごし方であり、自然との対話の方法でもある。「両腕を広げて、冷たい樹皮に触れ、草木の香りを嗅ぐと、まるで『充電』しているかのように元気いっぱいになります」と、彼は述べている。

「ハグセラピスト」として知られる臨床心理学者のストーン・クラウシャール(Stone Kraushaar)医師は、彼の著書『ハグ療法』で、「樹木を抱きしめる」ことが人体内のオキシトシンのレベルを高めるのに役立つと説明している。オキシトシンは、幸福感、喜び、平和、信頼などといった感情と深く関わるホルモンだという。

 中国のソーシャルプラットフォーム、豆瓣(Douban)の「顔を上げて、木を見る」グループには、12万人のメンバーが自分のカメラで捉えた木を共有し合っている。メンバーの花花(Hua Hua、仮名)さんは、木を眺めること、花を楽しむこと、樹木と抱きしめること、公園を散策することは、ポジティブエネルギーをもたらしてくれる、新緑の枝を見上げると、生命力に満ちた成長を感じ取ることができると述べている。

 環境保護活動に取り組む武漢市(Wuhan)の女性、熊鶯(Xiong Ying)さんはバードウォッチングが大好きで、「ショッピングは消費を刺激するものだが、自然の中を歩くことこそが真のリラックスである」と述べている。

 武漢市第一病院の神経内科の梅俊華(Mei Junhua)副主任医師は、春はうつ感情が生じやすい季節だと指摘している。曇りや雨が続き、日照時間が減少すると、脳の生物時計を制御する複雑なシステムに影響を与え、睡眠や覚醒の周期だけでなく、消化やホルモン活動などの身体機能にも影響を及ぼす。現代の若者たちは大半の時間を屋内で過ごしているが、自然の中を歩くことは感情や睡眠に良い影響を与え、思考を広げ、心をリラックスさせる助けとなる。(c)CNS/JCM/AFPBB News