【4月10日 Xinhua News】英国最大で最も影響力のある業界団体の一つ、自動車製造販売者協会(SMMT)のマイク・ホーズ会長はこのほど、新華社の単独インタビューに応じ、英国に進出する中国の電気自動車(EV)ブランドが増えたことで、EVの価格が低下しただけでなく、業界のイノベーションも励まされたとし、消費者と自動車業界の両方が利益を受けているとの見解を示した。

 ホーズ氏によると、英国は他の先進国に比べて参入障壁が低く、環境が非常にオープンで、競争が非常に激しい市場であり、欧米や日本、韓国、中国などの自動車メーカーを引きつけている。

 中国について、世界最大の自動車市場、自動車生産国・輸出国だと強調。ここ数年はEVの発展を加速させ、顕著なスケールメリットを実現しており、このことが国際競争への積極的な参加にプラスに働いているとした。英国の消費者も近年は中国の自動車ブランド、特にEVの英国市場参入にオープンマインドな姿勢を示しているとの考えを示した。

 中国汽車工業協会(CAAM)によると、2023年の中国の完成車輸出台数は前年比57・9%増の491万台で、うち新エネルギー車(NEV)は77・6%増の120万3千台だった。

 ホーズ氏は、世界の自動車業界は貿易摩擦の激化や保護主義の台頭、地域紛争に伴う物流リスクの発生など多くの課題にさらされていると指摘。電動化や自動運転などの新分野に引き続き力を入れることが不可欠だとし、世界の自動車業界は緊密な協力を通じてコストを分担し、手を携えて前進しなければならないと強調した。その上で、英国と中国の自動車業界の協力は両国間の交流と革新プランの共有を促し、多くの中国ブランドが英国に研究開発センターを設立していると明らかにした。

 英国EV市場の将来性については、EV普及までの道のりはまだ遠く、消費の原動力不足や価格が割高なこと、公共充電施設の少なさなどが消費者の購買意思決定に影を落としているとの見方を示した。

 英国議会の関連データによると、英国自動車市場のEVシェアはわずか3%程度にとどまる。同氏はこれについて、英国の自動車メーカーや貿易業者の業界団体は英国政府に対し、減免税措置や公共充電施設の整備加速など、EV利用拡大に向けたソリューションを提供するよう呼びかけているところだと説明した。(c)Xinhua News/AFPBB News