【3月30日 Xinhua News】中国寧夏回族自治区政府外事弁公室と在中国ドイツ大使館は今年2月、「中国(寧夏)・ドイツ友好協力週間」と銘打った一連のイベントを共催した。イベントではドイツの著名企業41社と寧夏の企業約300社がプロジェクト19件を締結。契約金額は1億5700万元(1元=約21円)、内容は介護サービス、設備製造、教育・文化などの分野に及ぶ。

 ドイツ企業が中国西部で攻勢をかける背後には、中国市場に対する自信がある。

 畜産設備大手ビッグダッチマン事業部の中国営業部門担当、フィリップ・プラン氏は「われわれは寧夏の農業会社と良好な協力基盤を築いている。関係をさらに深め、協力を強化していきたい」との意向を示した。10数年にわたり、寧夏で家畜・家禽の大型プロジェクトを数多く展開してきた。最近は採卵養鶏を手がける寧夏暁鳴農牧と養鶏技術に関する協力協定も結んでいる。

 世界最大の畜産設備サプライヤーの一つとして、中国には30年前に進出し、中国各地に顧客やサプライヤーを抱えるほか、広東省広州市や四川省成都市などに販売支社を構える。同氏は「中国の持続的な開放拡大政策はわれわれの中国市場に対する自信を強めてくれる。今後は中国各地との協力をさらに深め、農村振興と農業の持続可能な発展を促進していく」と語った。

 中国市場を有望視するドイツ企業は他にも多い。通所介護事業を手掛けるレナファンの張鑫(ちょう・きん)投資開拓部長は「寧夏は非常にオープンで、ドイツとの良好な協力基盤がある自治区だと認識している。介護産業を重視し、先を見据えた策を講じていることから、われわれはその発展に大きな自信を持っている」と明かした。医療を組み合わせた介護サービスを手がけるドイツのリーディングカンパニーとして、中国進出から8年間で24カ所の介護施設の運営を成功させている。

 張氏は「寧夏に介護施設を開設することは第一歩に過ぎない。ドイツのプロフェッショナルな介護の基準と高齢者向けのリフォームの考え方を両国間の協力プロジェクトに導入すると同時に、医療サービスや職業訓練制度『デュアルシステム』といったドイツの優れたものもどんどん取り入れていきたい」との考えを示した。

 中国ドイツ商会(在中国ドイツ商工会議所)とドイツ農業協会(DLG)の代表団は23年に寧夏を訪問し、農業分野で数々の成果を挙げた。同商会が今年1月に発表したリポート「2023/2024年度ドイツ企業ビジネス信頼感調査」によると、調査対象企業の91%が引き続き中国市場で事業を展開するとし、半数以上が今後2年以内に対中投資を拡大する計画があると回答した。  

 ドイツ経済研究所(DIW)は中央銀行のデータに基づき、23年の同国の対中直接投資は前年比4・3%増え、過去最多の119億ユーロ(1ユーロ=約164円)に上ると分析。同国の対外投資総額に占める割合も10・3%に上昇し、14年以降で最も高い水準になったとした。

 ドイツ連邦統計局によると、同国の23年の対中貿易額は2531億ユーロで、中国は8年連続でドイツの最大貿易相手国となっている。(c)Xinhua News/AFPBB News