【3月20日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は19日、五輪に対抗する形で「フレンドシップ・ゲームズ(Friendship Games)」と呼ばれる国際大会を立ち上げたロシアについて、「スポーツの政治化」だと非難する声明を発表した。

 今夏のパリ五輪で、IOCから中立の立場の個人選手のみ、ウクライナへの軍事侵攻を積極的に支持しないことを条件に出場を認められているロシアは、一部の国を招待して9月に夏のフレンドシップ・ゲームズをモスクワとエカテリンブルク(Yekaterinburg)で、冬季大会を2026年にソチで開催することを計画している。

 しかしIOCは、スポーツ界と招待を受けた各国政府に対し、大会への「参加と支持をしない」よう呼びかけた。IOCは、ロシアが自分たちの管轄外で複数スポーツが行われる国際大会を創設しようとしている点ではなく、各国政府に直接接触するという「非常に激しい外交攻勢」をかけたことを批判した。

 IOCは「純粋に政治的な動機をいっそう明確にするため、ターゲット諸国の各スポーツ団体を意図的に避けた」と述べ、「これは五輪憲章への明らかな違反であり、国連(UN)決議の侵害でもある」と主張。「スポーツを政治化しようという、ロシア連邦のゆがんだ試みだ」と非難した。

 ウクライナのスポーツ相は、IOCの「公平な姿勢」を歓迎し、「ロシア連邦がいわゆる『フレンドシップ・ゲームズ』を主催し、このプロパガンダ的な大会を『五輪の代わり』として提示するのは受け入れがたい。フレンドシップ・ゲームズは五輪の代わりになどならない」と話している。(c)AFP/Coralie FEBVRE