【3月10日 CGTN Japanese】中国では、昨年から「脆弱(ぜいじゃく)青年」という言葉が流行しており、多くの若者がネット上で自分の「脆弱性」についての経験を共有しています。例えば、デリバリーフードを取りに走ったら足がつった、背伸びをしたら首をひねった、あくびをしたら顎が外れたなどです。若者たちが「脆弱青年」と自嘲することは社会の関心事にもなっています。

「脆弱青年」という言葉は、河南省鄭州市のある病院の救急科が1カ月に1700人もの、外傷や腹痛、胸部の圧迫感、過換気症候群などの症状がある18〜25歳の若者を治療したことに由来します。

 北京中医病院救急科の姚衛海主任は、「印象に残る若い患者について、まず挙げられるのは30~40歳の脳梗塞と心筋梗塞の患者だ。中には食事中に立ち上がって物を取ろうとしたら、突然倒れる人も、酒を飲んで騒いでいたら、急に胸が痛くなって病院に緊急搬送された人もいた」と状況を説明しています。

 心脳血管疾患の若年化の傾向は確かに存在しています。中国国家衛生健康委員会が2023年に行った記者会見で、国家心血管病センターの胡盛寿主任は「急性心筋梗塞や脳卒中の発症患者を調べたところ、最初に発症した年齢が下がっている傾向があることが分かった」と述べました。

 姚衛海主任はさらに、「通院を繰り返す患者らには胸の圧迫感や動悸、汗かきなどの症状が多くみられ、見た目は心臓の異常と思われがちだが、検査しても原因がわからない。もれなく診たところ、こうした患者の多くは精神疾患を患っており、体の不調は心の病の現れであることが分かった。このほか、若い患者には頸椎症もよく見られ、頭痛や頚部痛、めまい、不眠などの症状がよくある」と述べました。

 若者が「脆弱」になっている原因について、胡盛寿主任は、食事に占める全粒穀物と豆類の割合が低下し続けていること、脂肪摂取量とエネルギー供給量の割合が上昇していること、自主的なトレーニングが不足していること、座りっぱなしの時間が長いこと、身体活動レベルが明らかに下がっていること、そして若者が大きな心理的ストレスと睡眠不足の問題を抱えていることなどを挙げています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News