【3月9日 CGTN Japanese】中国中部の河南省鄭州市に住む女性の貝貝さんは、歌うのが好きで人前でよく披露していましたが、最近になって、歌唱中に頻繁に音程が狂うようになりました。そのことを悩んでいた貝貝さんは、何か原因があるに違いないと考え、病院で診てもらうことにしました。

 医師は超音波検査により貝貝さんの甲状腺に4a級結節があることを発見しました。穿刺病理検査でも、BRAF遺伝子に突然変異が生じた結果が示されていて、悪性腫瘍と診断されました。極めてまれな解剖学的変異である「反回神経の走行異常(NRLN)」が貝貝さんの体に現れました。反回神経とその走行異常はどちらも声帯の機能に影響を与えるものです。医師は手術で甲状腺腫瘍を完全に切除すると同時に、反回神経を安全に保護しました。手術は順調に終わり、貝貝さんはわずか3日で退院しました。専門家によりますと、反回神経がいったん損傷すると、患者は声がかれるようになり、呼吸困難や窒息、死亡に至る恐れもあるそうです。しかも神経の損傷は修復不可能だと言われています。

 声は人それぞれの独自性を表すものであるとともに、感情表現や情報伝達のための重要なツールでもあります。専門家は、声が変わったり、声がかれたりするなどの症状が出た場合は速やかに、病院で検査を受け、病気を除くべきだと注意喚起しています。貝貝さんの話は、われわれに、甲状腺腫瘍が声に与える潜在的な影響について教えてくれると同時に、体の変化を重視し、異常があればすぐに診察を受ける必要があることも気づかせてくれました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News