【2月29日 AFP】国連(UN)がパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で「住民の4分の1に当たる少なくとも57万6000人が飢餓寸前」だと警告する中、イスラム組織ハマス(Hamas)が実効支配するガザの保健当局は28日、ガザ市にある同地区最大のシファ(Al-Shifa)病院で子ども2人が脱水症状と栄養失調により死亡したと明らかにした。

 保健当局のアシュラフ・クドラ(Ashraf al-Qudra)報道官は、「脱水症状と栄養失調によって、飢餓による死者は6人に増えた」われわれは国際機関に対し、ガザ北部の人道的大惨事を防ぐため、直ちに行動を起こすよう求める」と述べた。

 2人の死亡について、AFPは独自に検証できていない。

 ガザ北部への支援物資搬入はイスラエル軍に阻まれ、北部以外にも少しずつしか搬入できていないため、世界食糧計画(WFP)は26日、「何も変わらなければ、いつ飢餓が起きてもおかしくない」と警鐘を鳴らした。

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、2月にガザに入ったトラックの数は前月比で50%減少したと報告した。

 国連人道問題調整室(OCHA)も、「ガザの全住民が危機、またはより深刻な食料不安に直面している」見通しを示し、ガザの住民240万人のうち50万人以上が「食料不足、飢餓、対応能力の限界などの破局的的状況に直面している」と警告した。(c)AFP