【2月29日 Xinhua News】中国科学院高エネルギー物理研究所(北京市)が主導する国際協力チームが、四川省カンゼ・チベット族自治州稲城県にある高標高宇宙線観測所「拉索(LHAASO)」を利用し、はくちょう座の恒星形成領域で超高エネルギー巨大ガンマ線バブル構造を発見し、その中からエネルギーが1京電子ボルトを超える宇宙線の起源となる候補天体を見つけ出した。人類史上初の超高エネルギー宇宙線源の確認であり、研究結果は26日、中国の学術誌「科学通報」の巻頭論文として掲載された。

 LHAASOが発見した超高エネルギー巨大ガンマ線バブル構造は地球から約5千光年離れ、太陽系1千万個以上の大きさを持つ。バブル構造内にはエネルギーが千兆電子ボルトを超える光子が複数あり、最大のものは2千兆電子ボルトに達していた。

 LHAASOチームの首席科学者、同研究所の曹臻(そう・しん)院士(アカデミー会員)は「観測時間が増えれば、LHAASOはさらに多くの千兆電子ボルト、それ以上の高エネルギー光子を見つけ出せるだろう。銀河系の宇宙線の起源を巡る謎を解き明かす可能性がある」と語った。

 LHAASOは宇宙線の観測研究を主眼目標とする国家重大科学技術インフラで、標高4410メートルの海子山に設置されている。国際協力チームには現時点で国内外の天体物理研究機関32カ所が参加している。(c)Xinhua News/AFPBB News