■独占市場ではない

 ラボダイヤ業界が直面している問題もある。製造量の急増と、それによる価格の大幅下落だ。

 ラボダイヤの卸値は23年だけで58%下落した。スーラトの小売業者はAFPに、低品質のラボダイヤ1カラットの小売価格は、22年には2400ドル(約36万円)だったが、23年には1000ドル(約15万円)をわずかに上回る程度にまで落ち込んだと話す。

 昨年10月には、米国第2位のラボダイヤ製造業者「WD・ラブグロウンダイヤモンズ(WD Lab Grown Diamonds)」が破産申請を行った。

 しかし、パテルさんは「ラボダイヤ市場は独占状態にないため、価格の下落は予想できていた」とし、今後は需要が高まると楽観的だ。

 インド・ムンバイの宝飾店では買い物客からも、この見方に賛同する声が聞かれた。

 店を訪れていた女性(29)は「天然ダイヤでは値段が5倍以上もする」と言い、「普段使いで身に着けたいなら、ラボダイヤがうってつけ。とてもいいと思う」と述べた。(c)AFP/Anuj SRIVAS