【2月27日 CGTN Japanese】宇宙線の起源は、現代の天体物理学で最も重要な最先端科学問題の一つです。中国科学院高能物理研究所の26日の発表によりますと、中国の科学者が四川省稲城にある高標高宇宙線観測ステーション(LHAASO、「ラーソ」)を通じて、はくちょう座恒星形成エリアで巨大な超高エネルギーガンマ線泡状構造を発見するとともに、国際学術界では初めて、エネルギーが1京電子ボルトを超える宇宙線の起源天体を認証したとのことです。この研究成果は北京時間26日、学術誌「Science Bulletin」(「科学通報」)で発表されました。

 科学者が発見した巨大な超高エネルギーガンマ線泡状構造は直径が約1000光年で、その中心から地球までの直線距離は約5000光年です。この泡状構造内部の研究により、科学者はその内部に宇宙線加速器、つまり宇宙線の起源となる天体が存在し、この天体は1京電子ボルトを超えるエネルギーを持つ宇宙線粒子を絶えず発生しているとしています。研究を通じて、科学者はこの泡状構造の中心付近に位置する大質量の恒星星団が、科学者が「星団(同じガスから誕生した、互いの重力相互作用によって結びついた恒星の集団)」と呼ぶ、宇宙線の起源である可能性があると推断しています。

 さらなる分析により、科学研究者は「星団」が表面温度約1万5000度から3万5000度の恒星からなる密集星団であることを突き止めました。これらの恒星の放射強度は太陽の何百倍から何百万倍にも達し、その巨大な放射圧力は恒星の表面物質を吹き飛ばし、秒速3000キロにも達する強い星風を形成します。星風と周囲の星間物質の衝突および星風間の激しい衝突は強い衝撃波の極限環境を作り出し、その結果、強力な粒子加速器を形成します。

 分析を通じて、科学者はこれが宇宙線加速源、つまり宇宙線の起源天体であると認証しました。この発見は国際科学界では初めてのことです。将来的に、高海抜宇宙線観測ステーションはより多くの1000兆電子ボルト、さらにはより高エネルギーの宇宙線の加速源を探る可能性があり、これによって銀河系宇宙における宇宙線起源の謎が解明されることが期待されています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News