【2⽉22⽇ Peopleʼs Daily】中国・山東省(Shandong)青島市(Qingdao)では近年、家電の川上・川下企業の集積が加速している。スマート家電関連では2200社余りの企業が集積し、国家級の研究開発や革新の担い手は52社、国家製造業の部門別優勝企業(製品)は17社だ。

 青島市内に本社を置く斐雪派克電器(フィッシャー・アンド・パイケル電器、以下「F&P」)は家電用モーターを製造し、長年にわたって海爾(ハイアール、Haier)グループに供給してきた。現在ではF&Pが供給するモーターすべてに、その種類を示すバーコードが付けられている。F&Pはスマート工場の設立によって、細かな違いのある多くの種類のモーターを製造できるようになり、また品質管理の効率も格段に向上した。

 F&Pの孫利(Sun Li)社長は「ハイアールの技術者の助けを借りて、弊社の生産ラインを最適化することができました」と説明した。両社が深く結合したことで、品質問題によるF&P側の損失は30%減少し、受注量は30%向上したという。

 青島市工業と情報化局の関係者はハイアールとF&Pの協力を「青島の家電産業の川上川下の協同連動の縮図です」と説明した。産業チェーン内の主要企業がけん引効果を発揮して、川上と川下のそれぞれの強みを結び付けることで、産業チェーン全体を増強したわけだ。

 コントロールパネルはスマート家電の重要部品だが、青島の家電産業チェーンにとっては弱点だった。青島市工業と情報化局の劉大川(Liu Dachuan)局長は「かつては地元にコントロールパネルの製造業者が不足していて、家電メーカーは他の地方で仕入れることが多かったのです。輸送コストが高く、供給も安定していませんでした」と説明した。また、2005年時点で青島での家電製品のコアキットと電子部品の地元調達率は5%に満たなかった。

 青島市は対策として、スマート家電重要部品投資ガイド目録を発表し、市の重点誘致対象を明確化した。その結果、例えば世界の家電業界における制御システムの傑出したサプライヤーであるディール・コントロールズ(Diehl Controls)が青島市内に現地法人を設立して、ハイアールなどにコントロールパネルなどを供給するようになった。

 中国のチップ製造は遅れていた。大きな問題の一つは、チップについて設計、製造、パッケージング・測定から応用に至るまでの川上と川下の企業の連結ができていなかったことだった。ハイアール・グループはそこで、2019年に川上と川下のパートナーと共同で、国家ハイエンドスマート化家電イノベーションセンターを設立した。

 同センターは家電業界の需要に合致する権威ある基準の樹立に努めた。センターの桂志輝(Gui Zhihui)副社長によると、現在では多くの家電企業やチップ企業が、同センターでチップの検査を受けている。センター側はデータを蓄積し、家電業界の需要に合致するチップの基準をさらに明確化しつつある。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News