【1月26日 CNS】旧暦の12月、中国内陸部の貴州省(Guizhou)思南県(Sinan)許家壩鎮では、72歳の民俗工芸家、劉裔松(Liu Yisong)さんとその妻が伝統工芸品のドラゴンランタン「龍灯籠」の製作に追われている。「龍の頭は全体の中で最も複雑な部分です。枠組みの製作に2、3日、紙貼りに1日以上、絵を描くのに2日はかかりますね」と劉さんは紹介する。

 龍灯籠の製作には、デザイン、竹割り、形作り、枠結び、紙貼り、絵描き、彩色など30もの工程があり、灯籠師の芸術性と製作技術が問われるが、劉さんは50年近いキャリアを誇る。

 劉さんは毎年旧暦の2月から、夫婦で竹ひごを使って龍灯籠を作り始める。材料は地元の良質な竹だ。「旧暦1月13日には『爆龍』活動が行われますが、そのためには各地域に龍灯がなければなりません。しかも、今年は辰年です。現在、70個の龍灯を製作しています」という。

 許家壩鎮の春節の龍燈舞は「爆龍燈籠」とも呼ばれる。その最大の特徴は爆発音を恐れないこと。爆発がにぎやかであればあるほど、そして多ければ多いほど縁起が良いとされる。したがって、この地域の龍灯籠は比較的大きく、龍灯の威厳を表現しながら、「爆龍」の火の粉を避けるためにも役立つという。

 劉さんは「近年、地元政府は龍燈籠の製作技術の継承と発展を重視しており、無形文化遺産の申請にも熱心に取り組んでくれています」と話す。

 劉さんは、龍燈籠作りを学びたいという子どもたちが数人いるため、春節には無料教室を開いて、その技術を継承していきたいという。(c)CNS/JCM/AFPBB News