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【01月24日 KOREA WAVE】韓国LG・サムスン・SKによるK-バッテリーが技術流出で揺れている。世界の電気自動車(EV)市場でK-バッテリーと争う中国が、今度は韓国にオフィスを構え、組織的に技術を持ち出した情況が把握された。技術流出に対する強い処罰はもちろん、官民レベルでのセキュリティ強化まで全般的な対策が要求される。

中国の有名完成車メーカーが韓国に子会社法人を設立し、サムスンSDIとSKオン(当時SKイノベーション)の国内バッテリー技術を盗んだ疑いで、韓国司法当局の調査を受けている。

これまでの技術流出は、当該国の本社において高額年俸をエサに韓国企業出身のエンジニアをスカウトする方式だった。だが今回は海外から人材を引き入れる必要もなく、韓国を拠点に国家的な核心技術を抜き取る手法を取り、その手口が巧妙になっていることを示している。

警察庁国家捜査本部安保捜査隊は最近、サムスンSDIやSKオンの前・現職役職員5人と、中国の新興電池メーカー「蜂巣能源科技(SVOLT)」とその韓国法人、親企業で中堅自動車メーカー「長城汽車」の3カ所を産業技術保護法違反の疑いでソウル中央地検に送検した。

SVOLTは、韓国支社を設立し、2020年6月にソウル市城北区(ソンブクク)の高麗(コリョ)大学産学館に研究所兼事務室を設置した。そのうえで、主要なEVに入るサムスンSDIやSKオンのバッテリー関連の国家核心技術を抜き取った疑いが持たれている。警察は長城汽車が組織的に技術奪取の指示を下したと見て、検察に送致した。

長城汽車は中国最大のSUV(多目的スポーツ車両)販売企業であり、SVOLTは中国のEVバッテリーシェア4位のメーカーだ。長城汽車は最近、世界最大の家電・IT展示会「CES」で米国の自動運転プラットフォーム企業NVIDIAと協業することにしたというニュースが発表された。

SVOLTコリアの設立前後、各種バッテリー業界主管協会に参加して、核心技術を扱う韓国大企業の「K-バッテリー」研究員に接近し、▽韓国に拠点があるため中国に行く必要がない▽年俸を少なくとも2倍に引き上げる▽莫大なボーナス――などと約束したうえ、SVOLTコリアへの転職を勧めた。

今回送致された前・現職役職員の1人は、サムスンSDIで2009年に役員に昇進した人物で、バッテリーセルの核心技術の研究開発を担当してきた。技術流出に加担した職員らは、在職中に個人のスマートフォンなどでEVやバッテリーセルの図面などを撮影して保管し、転職後にSVOLTコリアに提供した。

SVOLT側は警察の調べに対して容疑を全面否認し、職員らの転職も偶然の一致だったという趣旨の供述をしたという。

海外への技術流出事件は急増する傾向にある。警察庁が昨年2~10月に「経済安全保障危害犯罪特別取り締まり」を実施した結果、海外技術流出送致件数は前年同期比75%増加した。警察は2013年以後で最も多い21件送検した。被害技術別ではディスプレーが8件で最も多く、半導体・機械3件、造船・ロボット1件、その他5件だった。

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