【1月23日 CNS】中国・黒竜江省(Heilongjiang)ハルビン市(Harbin)は冬の観光地として高い人気を集め、一躍人気の都市になり、ネットでは「爾濱」という愛称で呼ばれるようになった。

 ハルビンは今でこそネットで人気を博しているが、実は危機から始まった。ハルビン氷雪大世界(Harbin Ice and Snow World)の開園初日には、長すぎる待ち時間のためチケットの返金問題が生じた。しかし、ハルビンは積極的に問題に向き合い、ネガティブな影響を打ち消し、危機をチャンスに変えた。

 それ以来、ハルビンの観光は爆発的に人気が出た。ハルビン市文化放送テレビ・観光局が提供するビッグデータによる計算の結果、元旦の3連休(2023年12月30日から2024年1月1日まで)で、ハルビン市への訪問客は延べ304万7900人、観光総収入は59億1400万元(約1217億円)と、いずれも過去最高を記録した。

 氷と雪の北国風景は、冬の雰囲気をより感じさせてくれる。そのため、冬の特色があまりない中国南部の人々にとって、ハルビン観光は特に魅力的だ。中国の観光プラットフォームの携程(シートリップ、Ctrip)のレポートによると、元旦3連休中、ハルビンの遠隔地からの観光客の割合は75パーセントで、主要な都市として北京市の他、南部都市の上海市、深セン市(Shenzhen)から来ているという。

 氷雪大世界はハルビンの重要な観光地であり、世界最大の氷雪テーマパークでもある。その面積は81万平方メートルを超え、北京市の故宮(紫禁城、Forbidden City)よりも大きい。パーク内には様々な氷彫があり、昼間は氷が清潔で美しく、まるで『アナと雪の女王(Frozen)』のシーンが現実になったかのようだ。夜になると、流れる色とりどりの光によって、幻想的な雰囲気が漂う。521メートルの非常に長い氷の滑り台は、風を切る感覚を与えてくれる。雪の観覧車に乗れば、松花江の両岸の美景を一望できる。さらに、パーク内では「哈氷ショー」が開催され、多国籍のパフォーマーが氷上ダンスとアクロバットを披露する。

 ハルビン市の観光資源は豊富で、氷雪のみならず、多くの異国情緒あふれる建築物もある。ランドマークでの建築物である聖ソフィア大聖堂は1907年に建設され、極東地域で最大の東方正教会の教会だ。観光客の撮影のニーズを満たすために、ハルビン文化観光局は教会の上空40メートルに直径5メートルの人工の月を吊るした。

 最近は、中央大通りで中国特有のオロチョン族の人がトナカイを連れて観光客に民族の衣装と文化を紹介している。

 中国の観光プラットフォームの同程旅行(LY.COM)のデータによると、2024年の元旦連休期間中、ハルビン観光の人気は前期比で240パーセント上昇し、全国で4位にランクインした。現地の観光ブームは、冬休みと春節休暇まで続くと予想されるという。(c)CNS/JCM/AFPBB News