【1月9日 AFP】ドイツの伝説的サッカー選手、フランツ・ベッケンバウアー(Franz Beckenbauer)氏(78)が7日、死去した。ドイツサッカー連盟(DFB)が8日、発表した。

 1970年代に旧西ドイツ(現ドイツ)代表のキャプテンを務めたベッケンバウアー氏は、選手、指導者として独自の足跡を残したが、晩年は健康上の問題もあってオーストリアのザルツブルク(Salzburg)で静かに生活していた。

「カイザー(Kaiser、皇帝)」の愛称を持つベッケンバウアー氏は1945年にミュンヘン(Munich)で生まれ、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)が国内随一のクラブとして確立するのに貢献。1974年の西ドイツW杯(1974 World Cup)ではオランダを破って選手として優勝を果たすと、監督として臨んだ1990年のイタリアW杯(1990 World Cup)ではアルゼンチンに勝利してトロフィーを掲げた。

 選手、指導者の両方でW杯を制したのは、ベッケンバウアー氏と先日92歳で亡くなったブラジル代表のマリオ・ザガロ(Mario Zagallo)氏、フランス代表のディディエ・デシャン(Didier Deschamps)氏の3人のみとなっている。

 ピッチの内外で威厳ある人物であるベッケンバウアー氏は、1972年と1976年に欧州年間最優秀選手(当時)の「バロンドール(Ballon d'Or)」に選出された。

 13年間在籍したバイエルンでブンデスリーガ1部424試合・44ゴールを記録した後、同リーグのハンブルガーSV(Hamburger SV)や米国のニューヨーク・コスモス(New York Cosmos)でプレーし、1983年に現役を引退。その後はバイエルンやフランスのオリンピック・マルセイユ(Olympique de Marseille)を指揮し、双方でリーグ優勝を飾った。

 1996年に指導者の立場を離れると、バイエルンの会長や国際サッカー連盟(FIFA)の理事も務めた。一方、2006年のW杯ドイツ大会(2006 World Cup)では招致成功の中心的役割をを果たしたものの、その後買収による票集めがあったことが報じられている。

 映像はドイツのスポーツ通信社SIDとベルガ(Belga)通信より提供。(c)AFP