【1⽉3⽇ Peopleʼs Daily】中国の茶文化は2022年に国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)の無形文化遺産リストに登録された。名義は「中国の伝統的な製茶技術とその関連慣習」で、茶園の管理、茶葉の摘み取り、手作業による製茶、茶の飲用と共有に関する知識、技術、実践、関連する慣習などが評価の対象になった。

 中国では茶文化がユネスコの無形文化遺産に登録されたことで、茶の知識を普及させ、茶文化を広める動きが、改めて活発になった。湖南省(Hunan)では、省内に伝わる国が指定する無形文化遺産である千両茶、茯磚茶、君山銀針茶の魅力や特徴を紹介する催しが開催された。浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)では、市内の農村部に伝わる「径山茶宴」の集いの作法が、舞台上で改めて紹介された。この「径山茶宴」も中国の国家級無形文化遺産だ。

 民族の重要な文化は世界のものだ。例えば2022年の北京冬季五輪大会の開会式では、中国の古い文化である「二十四節気」を融合させた方式でカウントダウンが行われて、世界の注目を集めた。中国国際輸入博覧会(輸入博、CIIE)でも多彩な無形文化遺産の展示に人々が足を止める。中国の伝統文化は中国と外国を結び、中華民族の人々の文化的自信を高め、また中国と外国の文明交流と相互参照を推進する役割を果たしている。

 無形文化遺産に関連する、中国による世界への貢献は他にもある。すなわち、中国における文化保護の実践は、世界の他の国の無形文化の保護方法に「中国の方法」という選択肢を提供している。茶文化についても、伝承の活力を強化するためにさまざまな集団や個人が作業チームを結成した。伝承のための訓練教室を開催し、体験型学習の拠点を設立し、より多くの人に茶文化伝承者になる機会を提供するようになった。伝統文化はそれ自体が「生きている」だけでなく、文化を残そうとする優秀な伝統と歴史の記憶を強化する動きも活性化している。これが、無形文化遺産の保護についての「中国の方法」だ。

 中国ではデジタル関連をはじめとする科学技術が伝統文化を広め浸透させることに大いに貢献している。狭い範囲で伝えられていた伝統文化が、情報技術により広い範囲の人々にも伝えられる。そして伝統文化は農村部振興を目指す産業と結合しやすくなった。伝統文化は活力ある状態でしっかりと保存され、その上で新たな要素と融合して現代生活の需要に大いに役立てられている。

 中国農業科学院茶葉研究所の魯成銀(Lu Chengyin)研究員は、中国の茶文化が世界無形文化遺産に登録された際に、「中華の優れた伝統文化を発揚する重要な手法の一つは、しっかりと伝承し、保護し、利用することです」と述べた。伝統文化はしっかりと利用してこそ、その生命力を強化することができる。無形文化遺産の「技」を利用して地域の特色ある製品を育成し、多元化した消費ニーズを満たし、民衆の満足感と獲得感を高めることは極めて重要だ。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News