■インスピレーション

 ダンス・センター・ケニアが2015年に創設されて以降、1000人以上の子どもがここでバレエを習った。しかし、プロになったのはたった1人だ。

 ラスト氏はこうした状況を変えるべく活動に取り組んでいる。

「スクールが始まってからまだ9年もたっていない。ダンサーの育成には10年かかる」とし、もっと多くの子どもたちがプロになれるだろうと前向きに語った。

 ナイロビの別のスラム街、キベラ(Kibera)出身のラベンダー・オリサさん(17)は昨年、ロンドンのイングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクール(English National Ballet School)で学ぶための奨学金を得た。

 高校を卒業するために帰国中のオリサさんはAFPに対し、「キベラ出身の私がロンドンで踊るなど、これまで考えもしなかった。みんなは私を『インスピレーションを与える存在』だと言ってくれる」とうれしそうに語った。

 ラスト氏もオリサさんには大きな期待を寄せており、「きっとバレエ界で国際的なキャリア」を築くだろうと話した。(c)AFP/Dylan GAMBA